うつわ片手に。

うつわをはじめ大好きな日本の手仕事のモノについて、その他もろもろ、のんびり書いています。

tamaki niimeの心ほぐれる優しい手触り、そこにある哲学

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 ↑ tamaki niime SHINBUNと、ひとめぼれショール

 

"tamaki niime"さん、ご存じですか?一点一点すべて異なる色彩をもつ、そして何より、天国のような(!)肌触りのショールなどを手掛ける、兵庫県西脇市のブランドです。

先日、梅田の大丸に立ち寄ったとき、偶然にも"tamaki niime"さんの期間限定ショップが出ていました。

ふらりと立ち寄ったところ、そこにいたウールの混じった暖かそうなショールに、久しぶりの「運命のひとめぼれ」してしまったのです。

(★以前のひとめぼれのお話はこちら

その時は手持ちも少なく、いったんは立ち去りました。ですが、昨年の冬にお気に入りのストールを無くしたことを思い出し、「やっぱりあの子!」と駆け戻り、即座にレジへ走りましたとさ。笑

お会計のとき、tamaki niimeさんが発行している"tamaki niime SHINBUN"(上の写真)をいただいたのですが、唯一無二のショールを生み出すその哲学が書かれていて、読んで胸が熱くなりました。

今日はその中から、少しだけ内容をご紹介しますね。 

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 生まれながらに服飾の研究家

デザイナーの玉木新雌さんは、洋服屋さんのご両親のもとに生まれ育ち、幼いころから自分が着る服に対して、デザインや素材、着心地をあれこれと分析されていたそうです。その興味が高じて、ご自身の手で服作りを始められたのが、中学生のころ。

ブランドを立ち上げ、本当に良いと思うモノづくりを目指し模索している中で、西脇市の伝統工芸である播州織の職人に出会い、共に生地を開発していくなかで、いまのtamaki niimeのショールが形作られたとのこと。

途中からは、よりアイデアを細かに形にしていけるようにと、職人さんを介さず、玉木さん自身が織機を操作して生地を作るようになったそうです。

この話からすでに感じ取れると思うのですが、玉木さんはご自身のことを「デザイナーというより『研究家』(中略)とにかく探究するが好き」だと語っておられます。

 

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 ↑玉木さん(カッコいい!)と色トリドリのショール。ポストカードです

マニアックな探究を、社会に役立つようにする信念

そして特に胸をうたれたのは、そのあとに続く、この文章です。原文のまま引用しますね。

ただし、自己満足的な欲求では世のためにはならない。こだわってマニアックにやるからには、お客さんや社会のために役に立っていかないと。自分が心から良いと思って創ったモノが、色んな人に喜んで貰えたら。お母さんも似合う、おじさんにもおじいちゃんにも似合う、赤ちゃんにも似合うというようなモノ。そうなれば全てが循環し、買って下さった方や贈り物をされた方も幸せになる。しかも、服のようにテイストやサイズがあるわけではなく。だからショールが凄くいいと思ったんです。

それまで、わたしの中では単に、「tamaki niime=肌触りのいいショール」の図式があるだけでした。しかし、触っただけで笑顔になってしまうこの製品のおおもとには、玉木さんのこのような信念があるのです。

しかも、ここに書かれたとおりの、「誰にでも似合うモノ」が、現実としてここにあります。身に着けるもので、老若男女問わないモノって、そういえば、とても少ないような気がします。

「好きを仕事に」を体現

ちょっと話がそれますが、最近よく聞く「好きを仕事にする」ということが、頭に浮かびました。

好きなことを自分が好きなようにやっていては、仕事にはなり得ない。それを社会に還元していくことを、自分が納得、満足できる形で展開してってこそ仕事になるはず。玉木さんは、まさにそれを体現しているように感じます。

 

今回は、とろけてしまうような柔らかさのtamaki niimeのショールと、デザイナー・玉木新雌さんの思いについてご紹介しました。

モノの奥にある、見えない部分である作り手の思いに触れると、そのモノやブランドへの愛着がいっそう増す感じがしますが、いかがでしょうか?

このような、作り手さんの思いのことなど、また今後も書いていけたらなと考えています。